震え、パーキンソン病、MS、ALSの音声入力:最初に決める設定

Macで震え、パーキンソン病、MS、ALSのための音声入力を考えるときは、診断名ではなく、入力で困っていることから始めます。間違ったキーを押してしまう手、疲れる手、小さくなった声などです。以下の各セクションでは、そうした困りごとひとつにつき、YapToTextの設定をひとつ挙げています。私は医療の専門家ではなく、ここに書いてあることは医学的なアドバイスではありません。

私は手でキーボードを打つことが難しく、Macで音声入力がキーボードの代わりになるようにYapToTextを作りました。件名に病名、本文に入力の困りごとを書いたメールが私に届くので、このページは困りごとごとに整理しています。何かを約束するページではありません。音声認識モデルはWhisperで、特定の病状に合わせて調整していない汎用のモデルです。アプリは無料で、試用期間の期限もないので、いちばん確かなのは、あなたの部屋で、あなたの声で5分試すことです。最後のセクションがまさにそのテストです。

すべての処理はMacの中で行われ、話した内容はアップロードされません。自分の健康について音声入力するときには、これが大切です。詳しくはプライバシーのページをご覧ください。

Mac App StoreでYapToTextをダウンロード無料でダウンロードできます。アカウント不要で、機能の制限もありません。AppleシリコンのMac、macOS 14以降に対応しています。 ソースコードはGitHubにあります。

このページの読み方

各セクションに病名が付いているのは、人が検索するのがそれだからです。ただし書いてあるのは、入力の困りごとです。押し間違えるキー、疲れる手、聞き取りにくい声などです。ご自身の病状が載っていなくても、当てはまる困りごとを探せば、設定は同じです。脳性まひ、筋ジストロフィー、エーラス・ダンロス症候群は、病名ではなく困りごとの下で、このあとに出てきます。

ここに書くのは、アプリの操作方法です。アプリがあなたにとってどれだけ役立つかは、私には知りようがないので、書きません。ある人の声で音声入力がどれだけうまくいくかは、使ってみなければわかりません。どのセクションにも当てはまることが2つあります。ここで挙げる機能に、お金を払わないと使えないものはありません。そして、音声認識、整形、履歴はすべてMacの中にとどまり、自分で開始するモデルのダウンロード以外にネットワークは使いません。VoiceOver、音声コントロール、ポインタをまったく使わない音声入力についてはアクセシビリティのまとめで説明していて、このページでは繰り返しません。

震えとパーキンソン病:キーの押し間違いと小さな声

このセクションが扱う困りごとは2つです。間違ったキーを押してしまう手と、小さくなった声です。それぞれに設定があります。

キー

音声入力は、キーをひとつ、1回押すだけで始まります。複数のキーを同時に押すことはありません。初期設定はRight Commandで、どのキーにも変更できます。確実に手が届き、普段は入力に使わないキーを選んでください。Spaceと数字キーは、音声入力が動いている間だけ受け付けられます。アプリが処理を終えているときに音声入力のキーをすばやく2回押しても無視されるので、結果が捨てられることはありません。DictationページのKeysカードでRequire pressing Escape twice to cancelをオンにすると、取り消しには0.6秒以内の2回目の押下が必要になります。間違った押下で取り消されてしまった場合でも、音声入力は文字起こしされてHistoryに保存され、取り消し済みと記録されて、入力はされません。脳性まひや、2つのキーを同時に押せないほどの痙縮の場合も、私ならこの1キーの設定にします。アプリが監視するキーの一覧はキーとショートカットのページにあります。

MacのYapToTextのDictation設定ページ。Keys、Recording、Microphone、Deliveryのカードが並んでいる。
図1. このセクションの2つの内容は、Dictationページにあります。KeysカードのキーひとつとRequire pressing Escape twice to cancel、そしてMicrophoneカードのAuto-amplify quiet speechです。

声

Auto-amplify quiet speechは、固定の音量ではなく部屋に対してあなたの声を測り、初期設定でオンです。Mac自体の入力音量が低い場合は、アプリがそのことを知らせて、上げるかどうかを尋ねます。Settings、General、MicrophoneにあるInput boostは、手動でゲインを足します。普通に話したときにメーターの緑から黄色の範囲に届き、赤に入らないところまで上げてください。さらに、アプリはあなたの声がどれだけ聞き取れているかを監視しています。信号があなたの普段の状態を大きく下回ると、Dictationページがそう知らせて、考えられる原因を示します。私が確認する順番はトラブルシューティングのガイドにあります。

結果を判断するには、音声入力のあとでHistoryを開き、Show pipeline detailsを選びます。音声認識モデルが聞き取った内容の生の文字起こしが、整えたテキストの隣に表示されます。生の文字起こしを読んで、自分で判断してください。Whisperは汎用の音声認識モデルで、変化した声に合わせて調整するものは、私は何も作っていません。

MSと疲労:調子のよい日と悪い日

疲労がある場合、問題は入力が不可能なことではないかもしれません。今日は不可能だということかもしれません。入力がつらい日にはアプリを、そうでない日にはキーボードを使ってください。サブスクリプションはないので、1回も音声入力しなかった週があっても費用はかからず、一時停止も解約もありません。

音声入力のキーの使い方は、Dictationページで選ぶ2通りです。Tap to start / stopは、短く2回押すだけで、押し続ける必要はありません。Hold to talkは、キーを押している間だけ録音します。短い言葉に向いていて、2回押すのを避けたい手に合います。その日の調子に合うほうを選んでください。体調が重い日は、Auto-stop after silenceで1回押すだけになります。始めて、話して、話すのをやめるだけです。Quick Editのキーにも、同じ押す、押し続けるの選択があります。

ノートパソコンでは、EnergyページのSwitch models with the power sourceで、音声認識モデルと整形用のモデルのそれぞれに、電源につないでいるときとバッテリー駆動のときの選択ができます。初期設定ではオフです。詳しくはエネルギーのページをご覧ください。

文が間違って入力されたときは、Quick Editで声で直せます。その文を選択し、Quick Editのキーを押して変更内容を言うと、書き直した文が選択部分にそのまま置き換わります。文を打ち直すことは、疲れた手にさせるべきことではありません。言える内容はQuick Editのページに載っています。

Quick Editのカード。リアルタイムの波形とListening for your editの表示があり、その下に、声で伝えた指示make it sound more formalが表示されている。
図2. 文を選択し、Quick Editのキーを押して、変更内容を言います。カードには聞き取った指示が表示され、打ち直すものは何もありません。

ALS、筋ジストロフィー、進行する筋力低下

筋力が変わっていくときに問われるのは、アプリがそれについていけるかどうかです。きっかけはキーで、その動作は設定なので、押す方法から押し続ける方法に変えたり、手の届きやすいほかのキーに変えたりするのは、アプリを替えることではなく、Dictationページでの変更です。スイッチやほかの装置があなたの代わりにキーを押すなら、そのキーをきっかけにできます。アプリはキーを待っているだけだからです。すべてのスイッチインターフェースを試したわけではないので、これは仕組みの説明であって、保証ではありません。10秒でできるテストはキーひとつの音声入力ガイドにあります。

After a dictation landsは、Settings、Advanced、Text outputにある設定で、選んだアプリで言葉が入力された瞬間にReturnかCommand Returnを押します。音声入力したメッセージやプロンプトが、もう一度キーを押さなくても送信されます。アプリごとの設定なので、使いたいアプリだけでオンにしてください。Mac上の移動も難しくなってきた場合は、Appleの音声コントロールが、クリック、スクロール、アプリの起動を声で行います。YapToTextは、それと並べて使えるように作られています。

Historyには、すべての音声入力が、生の文字起こし、最終的なテキスト、そして初期設定では音声とともにMacの中に残り、どの項目も再生できます。アプリやMacが文の途中で止まっても、音声は残ります。次の起動時にアプリがそれを文字起こしし、テキストをクリップボードに入れて、Recovered after a crashとしてHistoryに保存します。項目をどれだけ長く残すかは、Historyのページで説明しています。

YapToTextのHistoryの項目で、パイプラインの詳細を開いたところ。生の文字起こし、整えた文字起こし、モード、配信先、対象のアプリ、時間が表示されている。
図3. パイプラインの詳細を開いたHistoryの項目です。音声認識モデルが聞き取った生の文字起こしが最終的なテキストのすぐ上にあるので、モデルだけの実力を判断できます。

ひとつ、私のものではないことがあります。AppleのPersonal Voiceは、声が出るうちに自分の声を録音しておくと、Macが、入力した文を、あなたに似た合成音声で読み上げられる機能です。Appleによると、AppleシリコンのMacが必要で、英語(米国)、中国語(中国本土)、スペイン語(メキシコ)で使えます。場所は「システム設定」の「アクセシビリティ」、Speechで、YapToTextとは関係がありません。Personal Voiceを挙げたのは、よく質問されるからで、アプリが使っているからではありません。

脳卒中、片手しか使えない場合、手足の欠損や形の違い

片手しか使えなくても、キーボードがなくなるわけではありません。幅が半分になるだけです。音声入力のキーは、使える手の届く側に置いてください。左手なら、Left Control、Left Option、Fn、Caps Lockが使え、その側にある文字キーやFキーも使えます。トリガーの欄が受け付けないキーは、Left CommandとLeft Shiftの2つです。右手なら、初期設定のRight Commandが、すでにそこにあります。

修正は、キーボードではなくQuick Editで行います。文を選択し、Quick Editのキーを押して、変更内容を言います。ほかのアプリでのキーの組み合わせには、macOSのSticky Keysがあります。修飾キーを同時にではなく1つずつ押せる機能です。Appleの機能で、「システム設定」の「アクセシビリティ」、「キーボード」にあり、私のアプリを使うかどうかにかかわらず、オンにする価値があります。

失語症は別の話で、はっきり書いておきたいと思います。音声入力が文字にするのは、口に出された言葉です。困りごとが言葉を探すことなら、アプリはその部分を助けられません。出てきた言葉を入力します。言葉そのものを補うことはしません。

関節炎、神経障害、痛む手

指がしびれていると、文字が間違って入力されていても、それを感じ取れないことが困りごとになります。私の決まりは単純です。1行より長いものは音声入力にして、キーボードは単発の文字に使います。

音声入力したばかりの文の間違った語は、声で直せます。入力された直後の30秒以内に、次の音声入力をまるごとreplace X with Yにします。同じ聞き間違いを2回直すと、アプリが覚えるかどうかを尋ね、以後は正しくなります。辞書の項目の仕組みはDictionariesのページで説明しています。長い修正はQuick Editに任せます。文を選択して、変更内容を言ってください。

Quick Editのカード。緑の輪とDoneの文字が表示されている。
図4. カードにDoneと表示されたとき、選択部分はもう置き換わっているので、打ち直すものは何もありません。

しびれではなく痛みが困りごとの場合、たとえば関節炎、エーラス・ダンロス症候群、キーボードに長く向かうことをいやがる関節などでも、決まりは同じです。長いものは音声入力にして、短いものはキーボードに任せます。手がなぜ休みを必要としているかは、アプリには関係ありません。話している間キーを押し続けないようにする設定は、手根管症候群のガイドで説明しています。

不明瞭な発話、ろれつが回らない場合

このセクションは、いちばん慎重に書かなければなりません。アプリの音声認識モデルのWhisperは汎用のモデルで、聞き取りにくい発話の扱いを変えるものは、私は何も作っていません。私が手がけた音声処理は、小さな声と騒がしい部屋のためのもので、構音障害のためのものではありません。発話に大きな影響がある場合は、頼る前にテストしてください。

  1. 少しゆっくり話して、近づく。 マイクを口に近づけるか、自分をMacに近づけます。
  2. マイクの評価を読む。 Settings、General、Microphoneで、いくつか言葉を話します。アプリが聞き取りの明瞭さをExcellentからNeeds attentionまでで評価し、変えるべき点を伝えます。
  3. Raw Transcriptionでテストする。 Raw Transcriptionで1段落を音声入力します。整形で補うことなく、モデルが聞き取った内容がそのまま入力されるので、その結果を読んでください。Raw TranscriptionについてはModesのページで説明しています。
  4. 聞き逃す語を教える。 同じ語がいつも同じように間違うなら、辞書の項目で直せます。辞書は、入力される内容だけでなく、音声認識モデルが聞き取る内容にも影響します。

いつも同じ聞き間違いなら辞書の出番で、毎回違う聞き間違いは辞書では直せません。テストで、我慢できる以上の誤りが出た場合は、不明瞭な発話のために作られたツールのほうがよい答えです。午後をまるごと使って確かめてもらうより、ここでそう書くほうがよいと思います。そうしたツールはあります。私のアプリはそうではありません。

5分のテスト

5分、3つの確認、そして最後に正直な答えです。

手順1:インストールして、2つの許可を与える

  • 操作: macOS 14以降のAppleシリコンのMacに、Mac App StoreからYapToTextをインストールします。マイクを許可し、「システム設定」の「プライバシーとセキュリティ」、「アクセシビリティ」でオンにします。
  • YapToText: ウェルカム画面のそれぞれにGrantedと表示されます。2つがオンになると、Get set upカードがHomeページから消えます。
  • 確認: 両方が許可済みと表示されます。Accessibilityがなくても文字起こしはされますが、結果はクリップボードにコピーされます。どちらの手順もインストールのガイドで説明しています。

手順2:モデルだけの聞き取りを確かめる

  • 操作: ノートをクリックして音声入力を始め、2を押してRaw Transcription(初期設定の並び順での位置です)を選び、普段の声で1段落を話します。
  • YapToText: 音声認識モデルが聞き取った内容を、基本的な句読点だけでそのまま、AIによる整形なしで入力します。
  • 確認: 読んでみてください。これがモデルだけの実力で、補うものは何もありません。
Macに表示されたYapToTextのフローティング音声入力パネル。リアルタイムの波形、入力中の文、取り消し、一時停止、停止のボタンがある。
図5. 話している間に2を押すと、パネルでRaw Transcriptionのチップが光り、その音声入力はAIによる整形をとばして、モデルが聞き取った内容をそのまま入力します。

手順3:Auto modeと比べて、1文を声で直す

  • 操作: 同じ段落をAuto modeでもう一度話します。次に、その結果から1文を選択し、Quick Editのキーを押して、make it shorterのような変更をひとつ言います。
  • YapToText: 2回目の音声入力を整えてから、選択部分を編集後の文に置き換えます。
  • 確認: Historyでは、それぞれの項目のShow pipeline detailsで、聞き取った内容と実際に入力された内容が並んで表示されます。

そして決めてください。自分には合わないと思ったら、アプリを削除すれば、保存されていたものも一緒になくなります。試用期間の期限も、アカウントも、解約するものもありません。

まとめ

  • 困りごとから始める。 押し間違えるキー、疲れた手、小さな声には、それぞれ設定があります。
  • キーはひとつにする。 押す方法でも押し続ける方法でも、どのキーでもよく、手の状態が変わったら変更します。
  • 頼る前にテストする。 Raw TranscriptionとHistoryで、何が聞き取られたかがそのままわかります。

音声入力した内容はMacの外に出ず、ここに書いてあることでお金がかかるものはありません。あなたの状況がここに載っていない場合は、GitHubで知らせてください。すべて読んでいます。

Mac App StoreでYapToTextをダウンロード無料でダウンロードできます。アカウント不要で、機能の制限もありません。AppleシリコンのMac、macOS 14以降に対応しています。 ソースコードはGitHubにあります。

このページを書いた人。 Ryleigh Newmanはソフトウェアを開発しています。手でキーボードを打つことが難しいため、このサイトで紹介しているアプリ、YapToTextで毎日音声入力をしています。このページは英語から翻訳したものです。アプリの画面とサイトのほかのページは英語です。 プロジェクトについて(英語)。

ガイド

そのほかのガイド(英語)

出典

よくある質問

Macで、手に震えがあっても音声入力は使えますか

使える可能性があります。入力に比べて、キーを押す回数がずっと少なくて済むからです。YapToTextでは、キーをひとつ1回押すと開始と停止ができ、Spaceと数字キーは音声入力の最中だけ有効で、取り消しにEscapeを2回押すことを必須にもできます。あなたの手に合うかどうかは5分のテストでわかり、アプリは無料です。

YapToTextは、ろれつが回らない話し方を理解できますか

約束はできません。音声認識モデルはWhisperで、聞き取りにくい発話に合わせた調整はしていない汎用のモデルです。Raw Transcriptionは聞き取った内容をそのまま表示するので、あなたの声で5分試せば、正直な答えが得られます。

MacでALS向けの音声入力ソフトはありますか

あります。音声コントロールと音声入力はmacOSに標準で入っていて、YapToTextは無料の音声入力アプリです。筋力が変わるにつれて、きっかけを、押すことから押し続けること、別のキー、あるいはキーを押すスイッチへと変えられます。すべてのスイッチインターフェースを試したわけではないので、先にご自身のもので試してください。

使えない週にも払い続けるサブスクリプションはありますか

ありません。YapToTextは無料で、有料プランもアカウントもないので、音声入力をしない週があっても費用はかからず、一時停止も解約もありません。

キーボードに触れずにメッセージを送信できますか

できます。Settings、Advanced、Text outputで、After a dictation landsにアプリを追加し、Press ReturnかPress Command Returnを選びます。言葉が入力された瞬間にそのキーが押されるので、メッセージはひとりでに送信されます。

健康について音声入力した内容は、プライベートに保たれますか

はい。音声認識と整形はMac上で実行され、ネットワークを使うのは自分で開始するモデルのダウンロードだけです。履歴はMacのアプリ自身のフォルダにとどまり、どれだけ残すかを選べて、どの項目も音声と一緒に削除できます。