音声入力のモード:同じ言葉を、行き先に合わせて整える

音声入力のモードは、WhisperがMac上であなたの声を聞き取ったあと、YapToTextが言葉をどう扱うかを決めます。Raw Transcriptionは話したとおりに入力し、Clean Up、Note、Email、Message、Code Commentは、あなたの言葉を保ったまま、その種類の文章に合わせて書き直します。初期設定でオンのAutoモードは、そのたびに自動で選びます。

モードはModesページにあります。内蔵のモードも含めて、どれも編集できます。自分用のモードを普通の文章で書くことも、アプリごとに専用のモードを持たせることもできます。すべてMac上で実行されるので、モードがあなたの言葉をどこかへ送ることはありません。

Mac App StoreでYapToTextをダウンロード無料でダウンロードできます。アカウント不要で、機能の制限もありません。AppleシリコンのMac、macOS 14以降に対応しています。 ソースコードはGitHubにあります。

それぞれのモードの働き

アプリには六つのモードが入っていて、そのほかにAutoがあります。

  • Auto。 音声入力のたびに内容を読み取り、扱い方を自分で選びます。専用のガイドがあります:Autoモード。
  • Raw Transcription。 AIを使わずに、基本的な句読点だけを付けて、話した言葉をそのまま速く文字にします。Autoがオフのときは、別のモードを選ぶまで、これが選択されたモードになります。
  • Clean Up。 言いよどみや言い直しを取り除き、文法、大文字小文字、句読点を直し、マイクが明らかに聞き間違えた言葉を直します。口調や言葉づかいはそのままで、ぶっきらぼうな表現や汚い言葉も残し、文を削除したり、短くしたり、要約したりはしません。話したウェブやメールのアドレスは正しい形で書き、話した数字は単位を足さずに数字にします。アプリはこれを推奨の初期設定としています。
  • Note。 短い見出しと箇条書きにし、やることは一覧にまとめ、あなたが言っていないことは何も足しません。
  • Email。 メールの本文を書き、件名の行は書きません。宛先の名前を言ったときだけ挨拶を付け、署名はSettings、Advanced、Your nameの名前を使い、[Your Name]のような仮の文字は使いません。
  • Message。 チャット向けの軽い整形です。言いよどみを取り、はっきりした文法の誤りを直し、くだけた口調は保ちます。
  • Code Comment。 コードのコメントやコミットメッセージ向けに、簡潔で技術的な言い方にします。識別子と大文字小文字は話したとおりに保ち、引用符やコードのフェンスは付けません。

Raw Transcription以外のモードはどれも、それぞれの指示を付けて、文字起こしを整形用のモデルに渡します。初期設定のモデルはPhi-3.5 Mini Instructです。結果がアシスタントの返事のようになったり、話した内容を大きく超えて長くなったり、参考のテキストを繰り返したりした場合は、アプリはその結果を捨てて、生の文字起こしを入力します。Raw TranscriptionはAIモデルにまったく触れません。ほかのモードはどれも、あなたの言葉を保ち、それ以外を直します。

YapToTextのSwitch Modeの一覧。Auto、Raw Transcription、Clean Up、Note、Email、Message、Code Commentに1から7の番号が付いている。
図1. Switch Modeの一覧では、Raw Transcriptionだけが「Verbatim」のタグが付いたモードです。Autoを含むほかのモードは、すべて「AI cleanup」のタグが付いています。

モードを選ぶ、途中で切り替える

モードを選ぶ方法は四つあります。

  • メニューバーから。 カピバラをクリックして、Modeのピッカーを使います。そこでモードを選ぶとAutoがオフになり、Autoはピッカーから消えます。戻すには、Homeページか、ModesページのAutoの行でオンに切り替えます。
  • 話している間に。 1から9を押すか、広げたパネルのモードのチップをクリックします。Autoがオンのときは、その音声入力だけに有効です。Autoがオフのときは、選択されたモードになります。
  • Modesページから。 モードを右クリックしてUse This Modeを選びます。現在のモードにはCurrentのタグが付きます。
  • ショートカットで。 Settings、General、ShortcutsのCycle modeは一覧を順に切り替え、どのモードにも、そのモードで音声入力を始める専用のActivation shortcutを設定できます。
Mac上のYapToTextのフローティング音声入力パネル。リアルタイムの波形、入力中の文、キャンセル、一時停止、停止のボタンがある。
図2. 話している間、広げたパネルのモードのチップには、キーと同じ番号が付いています。チップをクリックするか、その番号を押します。

番号はModesの一覧の順番に従うので、モードを上や下へドラッグすると番号も変わります。Show in the quick switcherをオフにしたモードには、番号が付きません。モードに付いた番号は、そのモードを選ぶキーです。 すべてのキーはYapToTextのキーにあります。

モードを編集する、自分用に作る

Modesページでモードをクリックすると、そのエディタが開きます。カードは、Basics(名前、アイコン、説明、Show in the quick switcher、Activation shortcut)、Apps that use this mode、On batteryの選択があるSpeech model、Recording & language、AI cleanup、Dictionaries、Where the text goes、Try it outです。

YapToTextのModesページ。一番上にAuto、続いてRaw Transcription、Clean Up、Note、Email、Message、Code Commentがあり、2から7の番号が付いている。
図3. Modesページでモードをクリックすると、そのエディタが開きます。右上のプラスのボタンで新しいモードを作り、Currentのタグが使用中のモードを示します。

手順1:近いモードから始める

  • 操作: モードを右クリックしてDuplicateを選ぶか、プラスのボタンを押してNew Modeを選びます。
  • YapToText: 新しいモードのエディタを開きます。
  • 確認: 新しいモードがModesページの一覧に表示されます。

手順2:指示を書く

  • 操作: AI cleanupカードでRewrite the transcript with AIをオンのままにして、Instructionsの欄に希望を書きます。内蔵モードの指示から始めたいときは、Start fromのボタンを押します。
  • YapToText: 入力するたびに保存します。整形用のモデルは、このモードの音声入力のたびに、この指示に従います。
  • 確認: 指示に、変えたいことだけでなく、残したいことも書いてあります。

モードの指示: チャットアプリでの短い返信の例です。

私の音声入力を、短くて親しみやすい返事にしてください。私の言葉と意味は保ってください。私が言っていないことは何も足さないでください。

結果: 整形用のモデルが、このモードの音声入力のたびに、Mac上でその方向に書き直します。

手順3:試す

  • 操作: Try it outカードにサンプルを入力して、Preview with AIを押します。
  • YapToText: 音声入力をせずに、サンプルにそのモードを実行します。
  • 確認: Resultが思ったとおりに読めます。違う場合は、指示を直してもう一度プレビューします。

AI cleanupでは、Cleanup modelも選べます。また、三つのスイッチで、モデルが見られる文脈を決めます。内蔵モードは右クリックメニューにReset to Defaultがあり、Restore Built-in Modesはプラスのボタンの下にあり、Undoのボタンは直前のモードの変更を取り消します。Export ModeとImport Modeは、モードをファイルとして移します。モードは、読んで書き直せる指示にすぎません。

アプリごとに専用のモードを持たせる

どのアプリにも専用のモードを持たせられるので、そのアプリでの音声入力は、選ばなくてもそのモードになります。たとえば、メールをEmailに、メッセージをMessageに、エディタをCode Commentにします。

  • 操作: モードのエディタのApps that use this modeで、Add appを押して起動中のアプリを選ぶか、ほかのアプリはChoose Appで選びます。Settings、Advanced、Per-app modesでも同じ一覧を編集できます。
  • YapToText: 音声入力を始めたときにそのアプリが最前面にあれば、そのモードに切り替えます。これにはアクセシビリティの許可は不要です。
  • 確認: Autoモードをオフにすると、そのアプリでの音声入力は、そのモードで整えられて出てきます。

Autoモードがオンの間は、Autoが音声入力ごとの書き方を決めるので、アプリごとのモードが文章を整えるのはAutoがオフのときだけです。 たくさんのアプリに音声入力する場合は、Macのどのアプリにも音声入力する方法のガイドが、アプリごとに説明しています。

すでにあるテキストにモードを使う

すでに書いてあるテキストにモードを使える場所は、三つあります。

  • メニューバーのRegenerate。 カピバラをクリックしてRegenerateを開きます。Redo it asは直前の音声入力を好きなモードでやり直し、Rewrite it asは選択したテキストを好きなモードで書き直し、1回限りの編集ではAIアクションを適用します。
  • History。 どの項目にも生の文字起こしが残っているので、Regenerate with AIで古い音声入力を別のモードでやり直せます。くわしくはHistoryのガイドをご覧ください。
  • Utility。 Transform textカードは、貼り付けたテキストを好きなモードで整え直します。たとえば、メモをメールにします。そのページのほかの内容はUtilityのガイドにあります。
YapToTextのメニューバーのパネル。Start Dictation、モードとマイクのピッカー、Transcribe file、Regenerate、Insert lastがある。
図4. カピバラのパネルのRegenerateは、直前の音声入力か選択したテキストを、AI cleanupのある好きなモードでやり直します。

選択したテキストの書き直しには、アプリが入力するのと同じ許可である、アクセシビリティが必要です。モードは、先週音声入力した言葉も含め、どんなテキストにも使えます。

制限

  • 整形用のモデル。 Raw Transcription以外のモードにはどれも必要です。Homebrew版はモデルなしで配布されるので、AIモードを使う前に、AI ModelsページでPhi-3.5 Mini Instruct、2.3 GBをダウンロードしてください。
  • 文字起こしのあとの分析。 Homeページにあるこのマスタースイッチがオフのときは、どのモードも実行されません。音声入力はすべて話したとおりに入力され、Modesページにそう表示されます。
  • 小さなモデル。 整形用のモデルはMac上で動くので、新しいモードは、頼る前にTry it outでプレビューしてください。
  • 音声入力の途中での切り替え。 新しいモードの整形は進行中の音声入力に適用されますが、音声認識のモデルと言語は次の音声入力から適用されます。
  • 九つの番号。 番号キーが届くのは、切り替えの一覧の先頭の九つのモードまでです。

モードの動きがおかしいとき

  1. どのモードが実行されたか確認する。 Historyで、その音声入力のShow pipeline detailsをクリックします。Modeの行にモードの名前が出て、Auto detectedにAutoが選んだモードが出ます。
  2. マスタースイッチを確認する。 HomeページのAfter transcriptionカードで、Post-transcription analysisがオンになっている必要があります。
  3. 同じ言葉でプレビューする。 話した内容を、モードのエディタのTry it outに貼り付けて、比べます。
  4. 指示を直す。 変えたいことだけでなく、残したいことも書くか、内蔵モードならReset to Defaultを使います。
  5. 別のモデルを試す。 モードのエディタで別のCleanup modelを選ぶか、その種類の文章にはRaw Transcriptionを使います。
  6. 知らせてください。 モード、話した内容、出てきた結果を添えて、GitHubでissueを作成してください。

まとめ

  • Raw Transcription。 AIを使わず、話したとおりに入力します。
  • Clean Upとその仲間。 メール、メモ、チャット、コードのコメント向けに、言葉を整えます。
  • Auto。 初期設定でオンで、自動で選びます。

言葉の行き先に合わせてモードを選ぶか、Autoに選ばせます。 superwhisperから乗り換える場合は、superwhisperの代わりのページで2つを比べています。モードの動きが意外だった場合は、GitHubでissueを作成してください。すべて読んでいます。

Mac App StoreでYapToTextをダウンロード無料でダウンロードできます。アカウント不要で、機能の制限もありません。AppleシリコンのMac、macOS 14以降に対応しています。 ソースコードはGitHubにあります。

このページを書いた人。 Ryleigh Newmanはソフトウェアを開発しています。手でキーボードを打つことが難しいため、このサイトで紹介しているアプリ、YapToTextで毎日音声入力をしています。このページは英語から翻訳したものです。アプリの画面とサイトのほかのページは英語です。 プロジェクトについて(英語)。

ガイド

そのほかのガイド(英語)

よくある質問

YapToTextではどのモードを使えばよいですか

初期設定でオンの Auto が、自動で選びます。自分で選ぶなら、Clean Up は意味を変えずに「えーと」などを取って文法を直し、Raw Transcription は話したとおりに入力します。

Raw TranscriptionはAIを使いますか

いいえ。基本的な句読点だけを付けて、話した言葉をそのまま速く文字にします。Whisperが聞き取り、言葉を書き直すものはありません。

自分用の音声入力のモードを作れますか

はい。近いモードを複製するか、Modesページのプラスのボタンの下で New Mode を選び、普通の文章で指示を書いて、Try it out で試します。

Emailモードが件名を書かないのはなぜですか

指示が、メールの本文だけを書くようになっているからです。内蔵のモードはどれも編集できるので、変えられます。

アプリごとに別のモードを使えますか

はい。モードのエディタの Apps that use this mode か、Settings、Advanced、Per-app modes でアプリを追加します。Auto モードがオンの間は、書き方は Auto が決めます。

モードは私のテキストをどこかに送りますか

いいえ。音声認識のモデルも整形用のモデルもMac上で動き、あなたの言葉と指示はMacの中にとどまります。